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2024/07/25 15:33
普通はあまり気にしない生地の先染め、後染め。
簡単に言えば、染色された糸を使って生地を織るのか、織り上がった生地を染色するかの違いです。
例えばストライプやチェック柄などは、色の違う糸で生地を織ることによって柄を作り出しているので、わかりやすいですね。無地の生地でも、デニムやシャンブレーなどが代表的です。
先染めの生地は、糸の段階で染色するので深みのある色を出すことが出来、後染めの生地に比べ色落ちしにくいと言われています。しかし、コストの面では先染め生地は割高になってきます。織ってから染めた方が効率が良いということですね。織るためのロットがある場合などは、必要な分を織ってしまってから何色かに分けて染色すれば必要以上に在庫を持つ必要もありません。
ブランドがスタートして間もない頃、ある素材の展示会でとても魅力的なハンプを見つけました。兎に角、風合いが素晴らしい。早速、値段を聞くとそれまでに使っていたハンプの値段の約2倍。そして我々にとっては結構なロットが必要でした。それが先染めのハンプだったのです。
先染めの中でもトップ染と言われる染色方法で、糸になる繊維の段階で染めることにより染色堅牢度も高く、何より生地の表情に奥行きが出ます。その生地をさらに洗いにかけることによって生まれた独特な表情に心惹かれました。
結局思い切って、その生地を使うことにしました。カラーバリエーションを増やすことは諦め、グレーの1色の潔い展開。現在ではTRIALOGUE STUDIOの定番バッグになっています。
https://shop.trialogue-st.com/items/71917841