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2024/08/21 16:40

昭和に子供時代を過ごした僕にとって、リュックとは遠足の時にランドセルの代わりにおやつを入れって持っていくバッグのイメージでした。

中高校生になった頃、ようやく街中でリュックを持つ人が増え日常使いのバッグとして定着し、その後は数々のブランドのリュックが流行りました。それは期せずして時代を象徴するアイコンだった気がします。

 日本人がバブル景気を享受していた80年代後半から90年代前半に流行したプラダのナイロン製リュック。ミウッチャ・プラダはオーセンティックを土台としながら、重厚感ではなく軽やかに洗練さを加えることにより高級ブランド品のイメージを変えたと思います。その後はグッチを皮切りに、多くのヘリテージブランドが次々と刷新されて行きました。

 一方、数年前に街で持っている人を見ない日はないくらい老若男女が背負っていたanelloのリュック。口金で開閉することにより、ものが出し入れしやすく、また海外での大量生産により安価で購入出来た事が、便利な道具として受け入れられたと思います。これは、服がステータスやステートメントとしての意味合いが薄れ、寒さを凌いだり、暑さを和らげたりする快適な道具としての機能性が求められるようになった感覚と近いのではないでしょうか。


現在では服装がよりカジュアルになり、ビジネススタイルでもリュックは受け入れられるようになりました。バッグ=リュックと思うくらい多くの人がリュックを使っていると思いますが、TRIALOGUE STUDIOにも現在リュックのアイテムが1型あります。流行からは距離を置き、過剰な利便性も追求しない。そして何よりカジュアルなスタイルにも上品さだったり、洗練された雰囲気をプラスしたい。そんな思いから生まれたのがレザーのバックパックです。

よく『リュックは作ってないんですか?』と聞かれます。3年目にしてようやく『はい、ありますよ』と答えられるようになりました。

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